『国王陛下に捧げる感謝の詩』(仏語原題: Remerciement au Roi )は、モリエールによる詩。1663年制作。国王ルイ14世から年金1000リーヴルを頂戴したことに対する感謝を示している。
内容
成立過程
1662年12月26日、『女房学校』の初演が行われた。この作品の成績は滑り出しから絶好調で、その好調を維持したまま翌年の復活祭までに31回連続で上演が行われるなど、モリエールが生涯獲得した成功の中でも、もっとも輝かしいものであった。数年前に南フランス巡業を終えたばかりで、それまでの作品でも成功を収めていたモリエールであったが、この作品の華々しい大成功によって、「すぐれた劇詩人」なる名目で国王陛下から年金1000リーヴルを獲得し、優れた劇作家であることを公式に認められたのである。
このような『女房学校』の大成功は、同業者たち、モリエールの敵対者たちの嫉妬心を激しく煽った。国王から年金を下賜された時にはすでに彼らの攻撃は始まっていたが、こうして国王自らがモリエールの後ろ盾である旨を公式に示したのであった。この詩は、モリエールの生前に出版されたほとんどの作品の巻頭に付されている。
日本語訳
- 『国王陛下に捧げる感謝の詩』秋山伸子訳、(モリエール全集 1 所収)、臨川書店、2000年
参考文献
- 鈴木力衛, 辰野隆訳 (1965), 世界古典文学全集47 モリエール, 筑摩書房
- ギシュメール3, 廣田昌義、秋山伸子編訳 (2000), モリエール全集3, 臨川書店
脚注



