1999年の文学(1999ねんのぶんがく)は、1999年(平成11年)の文学についてまとめた記事である。
できごと
- 1月14日 - 第120回芥川龍之介賞・直木三十五賞(1998年下半期)の選考委員会開催。
- 1月20日 - 大野晋の『日本語練習帳』(岩波書店)が発売される。同書はトーハン発表の「1999年年間ベストセラー」総合2位を記録した。
- 7月3日 - 山梨県南都留郡山中湖村に「三島由紀夫文学館」が開館(館長は佐伯彰一)。
賞
芥川賞・直木賞
- 第120回(1998年下半期)
- 芥川賞 - 平野啓一郎『日蝕』
- 直木賞 - 宮部みゆき『理由』
- 第121回(1999年上半期)
- 芥川賞 - 該当作なし
- 直木賞 - 佐藤賢一『王妃の離婚』、桐野夏生『柔らかな頬』
その他の賞
- 谷崎潤一郎賞(第35回) - 高樹のぶ子『透光の樹』
- 泉鏡花文学賞(第27回) - 吉田知子『箱の夫』、種村季弘『種村季弘のネオ・ラビリントス 幻想のエロス』ほか
1999年の本
小説
- 新井素子 『チグリスとユーフラテス』(集英社)
- 稲葉真弓 『水の中のザクロ』(講談社)
- 井上ひさし 『東京セブンローズ』(文藝春秋)
- 角田光代 『東京ゲスト・ハウス』(河出書房新社)
- 川上弘美 『溺レる』(文藝春秋)
- 桐野夏生 『柔らかな頬』(講談社)
- 殊能将之 『ハサミ男』(講談社)
- 筒井康隆 『わたしのグランパ』(文藝春秋)
- 天童荒太 『永遠の仔』(幻冬舎)
- 藤野千夜 『恋の休日』(講談社)
- 村上春樹 『スプートニクの恋人』(講談社)
評論
- 三島由紀夫(編者:高丘卓)『日本人養成講座』(メタローグ)
- 三島由紀夫(編者:山内由紀人/監修:平岡威一郎・藤井浩明)『三島由紀夫 映画論集成』(ワイズ出版)
その他
- 小川洋子 『深き心の底より』(海竜社)
- 丸谷才一 『思考のレッスン』(文藝春秋)
- 三島由紀夫 『三島由紀夫 十代書簡集』(新潮社)
- 村上春樹 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(平凡社)
- 森博達 『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か』(中公新書)
- 森嶋通夫 『なぜ日本は没落するか』(岩波書店)
- 八百板洋子 『ソフィアの白いばら』(福音館書店)
- 吉本隆明、田近伸和 『私の「戦争論」』(ぶんか社)
死去
- 1月23日 - 井上究一郎、日本のフランス文学者・翻訳家。89歳没。
- 2月8日 - アイリス・マードック、アイルランド出身の哲学者・作家・詩人。1978年にブッカー賞を受賞した。79歳没。
- 2月9日 - 久野収、大阪府出身の哲学者・評論家。88歳没。
- 3月16日 - 瀬戸川猛資、日本の評論家・編集者。50歳没。
- 3月17日 - 稲葉明雄、日本の翻訳家。65歳没。
- 5月10日 - シェル・シルヴァスタイン、米国の作家・イラストレーター。絵本『おおきな木』の作者として知られる。66歳没。
- 7月2日 - マリオ・プーゾ、米国の小説家。78歳没。
- 7月3日 - 土家由岐雄、日本の児童文学作家。95歳没。
- 7月21日 - 江藤淳、日本の評論家。66歳没。
- 7月29日 - 辻邦生、日本の小説家・フランス文学者。73歳没。
- 9月25日 - マリオン・ジマー・ブラッドリー、米国の作家。69歳没。
- 10月10日 - 中村佐喜子、北海道出身の翻訳家。89歳没。
- 10月19日 - ナタリー・サロート、フランスの小説家・劇作家。99歳没。
脚注
参考文献
- 『決定版 三島由紀夫全集42巻 年譜・書誌』新潮社、2005年8月。ISBN 978-4106425820。
関連項目
- 文学賞の一覧



